生後11カ月の赤ちゃんに関するQ&A
伝い歩きができるようになったり、手先が器用になったりする11カ月の赤ちゃん。行動範囲が広がり、起きている時間が増えてくるため、ママはいよいよ目が離せなくなります。そんな11カ月の赤ちゃんについてのよくある疑問にお答えします。
Q.夜泣きが激しくてどうしていいかわかりません
生後9カ月ごろから夜泣きするようになりました。理由はとくにないようで、いろいろ試しても泣き止まないという状態が続き、疲労がたまっています。生活リズムなどに問題があるのでしょうか?
A.夜泣きは生理的なもの
赤ちゃんの夜泣きは、原因が不明なだけに一緒に暮らす家族にとってはつらい問題ですね。夜泣きは「赤ちゃんの睡眠サイクルが未熟なために起こる」「知能の発達により、昼間の経験が夢になって夜泣きをする」などさまざまな説があります。
いずれにしても、夜泣きは生理的なことが原因と考えられているので、「昼間の遊びが足りない」「スキンシップが十分でない」などの問題があるわけではありません。夜泣きを自分のせいにして、落ち込む必要はありませんよ。
夜間眠れないと、ママは疲労が蓄積されてしまうため、日中でも休める時に休んでおきましょう。赤ちゃんがお昼寝している時間は、家事を忘れて思い切って一緒に寝てしまうのもアリです。近くに一時保育施設があれば、週に数回利用しても良いでしょう。
たとえ手抜き家事になっても、たった数カ月のことです。パパに理解と協力をしてもらい、夜泣き時期を乗り越えてくださいね。
Q.初めての靴の選び方は?
11カ月の息子がつかまり立ちを始めました。もうすぐ歩きだしそうな雰囲気なのでファーストシューズを用意したいのですが、選ぶポイントはありますか?
A.靴屋さんに足を運んで選ぶ
1歳前後の赤ちゃんの足の骨は、まだ軟骨で変形しやすいのが特徴。そのため、可愛さだけで選んだり、通販で購入したりすることはおすすめできません。
初めての靴は、歩行を安定させるための大切なワンステップなので、赤ちゃんと靴屋さんに出向き、足の大きさを足長計で測って足に合う靴を選ぶことが大切です。試し履きをしたときに、つま先と靴の先端の間に5mmほどの余裕があると良いでしょう。フィット感もチェックしてくださいね。
Q.おむつ替えやお着替えを嫌がるように
最近おむつ替えやお着替えをさせようとすると、イヤイヤをするようになりました。ときには泣かれることもあるのですが、なぜこんなにも嫌がるのかわかりません。こういうとき、どうすれば良いですか?
A.スペシャルオモチャで気を紛らわせる
自由に動けるようになってくるこの時期に、動きを制限されるおむつ替えやお着替えを嫌がる赤ちゃんは、意外と多いものです。おむつは替えのときにだけ使うようなプレミアムオモチャを用意して気をそらしたり、履かせやすいパンツ式のおむつへ変更したりと工夫してみましょう。
寒い冬場は、おむつや衣類が冷たく感じて嫌がる赤ちゃんもいます。人肌程度に温めておくのもひとつの方法です。
また、気を付けたいのが、着替えをさせるママやパパがイライラしないこと。赤ちゃんは険悪な雰囲気を感じ取って、お着替えやおむつ替えが「嫌な行為」と記憶してしまう可能性があります。上手にあやして着替えさせてくださいね。
Q.卒乳にベストの時期はある?
母乳育児の生後11カ月の息子がいます。間もなく迎える誕生日を目途に、卒乳させたほうがいいのかな?と思っていますが、卒乳するのにベストの時期はあるのでしょうか?
A.卒乳時期はママが決めてOK
赤ちゃんの成長の様子やママの体の調子、家庭の都合などを考慮して、卒乳時期はママが自分で判断して決めて問題ありません。
例えば「赤ちゃんの離乳食が順調に進んでいる」「勤め先が決まった」「ママの母乳に影響が出るような薬を処方された」などのケースであれば、断乳や卒乳を考えるタイミングかもしれません。
反対に、2歳児への母乳を続けているという場合であっても問題ありません。母乳を終了する時期は、誰かに決められるものでも非難されるものでないので、状況に応じて自分で決めてくださいね。
Q.赤ちゃん言葉は使わない方がいい?
「ねんね」とか「まんま」「わんわん」などの赤ちゃん言葉は、言葉の発達の妨げになると聞きましたが、本当ですか?
A.赤ちゃん言葉を使っても大丈夫です
赤ちゃん言葉は音節が短く、赤ちゃんが聞き取りやすい周波数を持つと言われています。そのため、赤ちゃん自身も発音しやすく、言葉を話す時期が早まる可能性がある言葉です。
成長と共に、赤ちゃん言葉は大人が普通に話す言葉に切り替わっていくので、心配する必要はありません。どんどん赤ちゃん言葉で話しかけてあげましょう。
Q.食べ物で遊んで、離乳食をあまり食べません
最近になって離乳食をあまり食べなくなりました。離乳食を手でぐちゃぐちゃにして、口に入れずに終わってしまいます。どうしたら良いでしょうか?
A.固さやメニューを見直してみましょう
せっかく用意した離乳食を食べてくれないと、悲しくなったりイライラしてしまいますね。でも食べ物で遊ぶということは、離乳食に興味のある証拠。生後11カ月頃は何でも触りたい、感じてみたいと感じる時期です。怒ると食事をする行為がネガティブな行為に変わってしまうので、気長に構えてください。
また、この時期から離乳食の後期に入りますが、もしかしたら食べ物の固さが合っていないのかもしれません。一度柔らかめのメニューに戻してみてはいかがでしょうか。
自我が芽生えるこの時期は、自分の手を使ってみたい時期でもあります。離乳食をスプーンではなく、手づかみしやすいメニューに変えてみる、という手も。茹でたブロッコリーやにんじんスティック、カボチャのお団子、コロッケ、おやきなど、手で食べやすい離乳食に挑戦してみましょう。
Q.11カ月の赤ちゃんにおやつはOK?
離乳食が3回になりました。お昼と夕食の間におやつの時間を設けても大丈夫でしょうか?
A.与えすぎなければ大丈夫です
離乳食があくまでもメインであれば、おやつをあげても大丈夫です。市販のお菓子の場合は、表示されている月年齢や原料などを確かめてくださいね。野菜が嫌いな赤ちゃんには果物をあげるなど、足りない栄養素を補給できるタイプがおすすめです。
Q.あまり昼寝をしません
眠そうな時にぐずりはしても、お昼寝をしません。また、眠ったとしてもすぐに起きてしまうのですが、11カ月の赤ちゃんってこんなにがんばって起きていられるものなのでしょうか。
A.午前中の活動量を増やしてみてください
この時期になるとよくお昼寝をする赤ちゃんもいれば、あまり寝ない赤ちゃんも出てきます。夜の睡眠が十分にとれているようならば心配することはありませんが、日中の活動量を増やしてみても良いかもしれません。
午前中のお散歩やお家の中での運動(ハイハイやつかまり立ち)など、意識的に赤ちゃんと動いてみましょう。
Q.体重が増えなくて心配です
11カ月の息子がいます。定期的に体重を図っているのですが、最近体重が変わらなくて心配です。
A.体重が増えないのは、活発に動いているからです!
10カ月を過ぎた赤ちゃんは、ハイハイやつかまり立ちなどで行動範囲が一気に増えます。活発に動いて筋肉もついてくるため、消費エネルギーの量もアップしています。食事をしっかり食べていて元気ならば、心配しなくても大丈夫です。
Q.何でも自分でやろうとするのでハラハラ、ドキドキします!
最近になって、食事や歯磨きなど何でも自分でやりたがり、見ている私は気が気じゃありません。
A.赤ちゃんの気が済むまでやらせて、ママはフォローアップを
好奇心や自我が芽生えくるこの時期は、自分の手を使ってやってみたい!という気持ちが強くなる赤ちゃんが増えてきます。そんな時は、いったん赤ちゃんの手に委ねて、気が済むまでやらせてあげましょう。1人でできる達成感や満足感を味合わせてあげることはとても大切です。
その後は「ママが最後にチェックするよ」と話しかけてフォローしてあげましょう。歯磨きのブラシは、危険がないようにストッパー付きのものを選んでくださいね。
Q.奇声を発するようになりました
「キィー!」とか「キャー!」とか奇声を発するようになりました。遊んで興奮している時ならわかるのですが、人といる時などに突然叫ぶので驚いてしまいます。
A.声の音量をまだ調節できない時期です
周囲の言葉を少しずつ理解しはじめているこの時期の赤ちゃんは、自分でも言葉を話す練習をしはじめます。筋肉がついて体もしっかりしてくるため、赤ちゃん自身が驚くほどの奇声が出てしまうことも。ママやパパの言葉に反応しているようなら心配をすることはないので、しばらく様子を見てみましょう。
Q.ハイハイをしません
11カ月になるのに、娘はあまりハイハイをしません。できないわけではありませんが、他の赤ちゃんと比べると、のんびりと座って過ごすことが多いみたいで心配です。
A.あまりハイハイしないのも個性の1つです
ハイハイ自体ができるのであれば、とくに問題はありません。乳幼児期の成長は個人差があります。ハイハイよりつかまり立ちを優先する赤ちゃんもいれば、後ろ向きにハイハイで進むのが好きな赤ちゃんもいます。赤ちゃんの個性に合わせて動きたいという気持ちがわいてくるので、他の子と比べずに温かい目で赤ちゃんの成長を見守ってあげてください。
Q.本の読み聞かせは必要ですか?
毎晩ねんねの時間に本を読んであげていますが、あまり反応がないように思えます。続けたほうが良いですか?
A.ぜひ続けてください!
ママやパパが本を読み聞かせをすると、赤ちゃんの精神状態が安定すると言われています。兵庫教育大学大学院の研究によれば、読み聞かせ中の赤ちゃんは大脳辺緑系(心が豊かに育つための大切な部分)が活発になることがわかっています。
また本の読み聞かせは子供の語彙が増えたり、ママのストレスも減ったりする研究データも。豊かな感情を育むためにも、本の読み聞かせはぜひ続けてあげてください。
参考:絵本の読み聞かせの教育的効果の研究【PDF】
http://repository.hyogo-u.ac.jp/dspace/bitstream/10132/17570/1/森慶子_本文pdf.pdf