生後9カ月の赤ちゃんに関するQ&A
はいはいが上達して行きたい方向に移動ができるようになるため、行動範囲が広がってくる9カ月の赤ちゃん。表情も豊かになり、愛らしさや目覚ましい成長に喜びながらも、目が離せない時間が増えてきます。
このページでは、そんな生後9カ月の赤ちゃん育児についての疑問点にお答えします。
Q.行動範囲が広がって不安です
はいはいのスピードも上がってきて、ちょっと目を離すと驚くほど移動しています。危険なものは床に置かないようにしていますが、不安で仕方ありません。
A.危険防止のための環境を整えること!
9カ月の赤ちゃんは足腰が発達してくるため、はいはいのスピードがアップしたり、つかまり立ちを始めたりする子も出てきます。ママがどんなに気を付けていても、24時間監視をするわけにはいかないので、安全に過ごせる環境を整えてあげることが必要です。
例えば誤飲するようなものを片づける、階段やキッチンなど危険な場所に侵入できないためのベビーガードを設ける、テレビやストーブなど触れると危険な物から遠ざけるベビーフェンスを取り付けるなどの対策をしましょう。
このような環境をつくることで、赤ちゃんの安全を守るとともに、お母さんは安心感が得られます。
Q.人見知り泣きが激しくて困っています
生後9カ月の娘がいます。ちょっと前から外で人に接したり、家に人が訪ねてくると、おびえるように激しく泣いてしまいます。どうしたらいいでしょうか?
A.正しく顔を認識している証拠です
知らない人を見て泣くということは、ママやパパと別の人の顔を正しく認識しているということ。顔を認識する能力が身についていることは、成長の段階で喜ばしいことです。
数カ月すると落ち着いてくるので、あまり気にせずに普段通りにお散歩や人を呼んでコミュニケーションを図ってください。
Q.離乳食が進みません
育児書を見ると、この時期は完熟バナナ程度の柔らかさの離乳食を食べてもいいようですが、相変わらずミルクや液体のようなおかゆだけを好み、一般的な離乳食は拒否されます。
A.無理強いはNGですが、食べたい意欲をアップさせる心がけも大切です
育児に関するママの悩みの中でも、離乳食の問題は常に上位に君臨します。それだけ赤ちゃんによって「食」に対する違いがあるということですから、焦らずに対応しましょう。
おかゆだけが好きな赤ちゃん、反対に決まった野菜だけしか食べない赤ちゃんなど、好みが分かれてきます。また、生活リズムが整っていないと、食べる量にムラが出てくることもあるのです。
無理やり食べさせることはNGですが、「お腹が空いた」「食べたい」という気持ちに赤ちゃんがなるように仕向けてみましょう。食事の時間のリズム、睡眠時間のリズム、無駄なおやつをあげないなどのポイントを押さえて、少しずつ離乳食の固さを整えてあげてくださいね。
Q.うちの子は後追いや甘えが激しいのですが…
以前に増して「だっこ」をせがまれることが増えて、後追いも激しくなりました。甘えさせたいのはやまやまですが、家事に支障が出ることもあって困っています。
A.とことんベタベタする時間をつくってみるのがおすすめ!
赤ちゃんにとって、ママの存在は世界で最も信頼のおける特別な存在です。そのため視界からいなくなると、不安で仕方なくなってしまいます。
さらに、この時期からははいはいが上手になってくるため、ママを常に視界に入れようと追いかけてくるのが特徴です。
後追いは1歳半から2歳にかけて落ち着くことが多いので、心配することはありません。ただ、料理をするときなど、家事によっては赤ちゃんに危険が及ぶこともあるので、ベビーガードなど、侵入を制限できるものがあると便利ですね。
ママが離れる時は、声かけをしてあげましょう。また、赤ちゃんは離れようとするほど追ってくるものなので、離れる前はとことんベタベタする時間をつくるといった方法も試してみてください。
Q.歯磨きを始めてもいいですか?
上と下の歯が2本ずつ生えてきました。今までは、ガーゼで歯をきれいにしていましたが、もう歯磨きをしたほうがいいのでしょうか?
A.歯磨きは機嫌の良い時間に行ないましょう
下の前歯は、唾液の出口に近いため、自然に唾液で洗われて虫歯になりにくいものです。一方で上の歯はその機能がないため、汚れが残りやすい傾向があります。そのため、ママが歯ブラシを使って、汚れをかきだす必要があるでしょう。
まずは歯ブラシに慣れさせることから始めてください。赤ちゃんの頭をママの膝の上に乗せて、磨いてあげます。赤ちゃんのお口の中は、粘膜も歯茎もやわらかくて弱いので、優しくゆっくりと磨きましょう。
歌を歌ったり、お話を聞かせたりしながら、機嫌の良い時間帯に歯磨きする時間を設けてください。
Q.行動範囲が広がって注意するポイントは?
ハイハイができるようになって喜んでいたら、すぐにつかまり立ちを始めました。嬉しいながらも、行動範囲が床も上の空間も広がって目が離せません。
A.火傷や怪我の恐れのないような環境づくりを
腕や脚、背筋など筋肉が発達してくる9カ月の赤ちゃん。ハイハイの先に椅子や座卓など、つかまりやすいものがあると、立ちあがろうとする赤ちゃんも出てきます。床はもちろんのこと、赤ちゃんが立った時に手の届く高さのものまで気を配り、安全な環境をつくりましょう。
具体的には、コーヒーメーカーやアイロン、電気ポットなど、火傷の恐れがあるものの位置をチェックしてください。熱いコーヒーの入ったカップを、座卓に置くこともしないほうが良いでしょう。
コードやテーブルクロスが引っ張られないように工夫することも大切です。使っていない時のコンロはガスの元栓を閉めるようにしてください。キッチンに入れないように、ベビーガードを設けるのも◎です。
その他にも、はさみや鉛筆など怪我の恐れがあるもの、消しゴム、ボタン電池、など口に入れやすいものなども危険。上のお子さんがいる家庭では、使用後はすぐに片づけるように、言い聞かせてください。
つかまり立ちをした時に、頭の重い赤ちゃんは転びやすいのも特徴です。バランスを崩した時に頭をぶつけないように、低い位置に角張ったものがないように気を配りましょう。
Q.9カ月の赤ちゃんは言葉を理解しているのでしょうか?
9カ月の息子に名前を呼びかけたり、「おいで」と言うとニコニコ笑ってハイハイしてくれるようになりました。この頃の赤ちゃんは、どのくらい言葉を理解しているものなのですか?また声かけのポイントも教えてください。
A.一定数の赤ちゃんは自分の名前を理解できる
9カ月頃の赤ちゃんは、まだ言葉は話せなくても、常に周囲の情報を五感でくみ取り、脳に蓄積しています。自分の名前に反応するのは1歳前後ですが、9カ月頃の赤ちゃんでも反応する子はいます。兄弟や大人のしぐさをよく見ているので、「バイバイ」など、単純なしぐさをマネするようになるのもこの頃からです。
「言葉が理解できないから」と赤ちゃんに話しかけない環境より、積極的にたくさん話しかける家庭のほうが赤ちゃんは言葉を早く学習できるようになるため、「反応がないからつまらない」なんて思わずに、どんどん話しかけてみましょう。
声かけのポイントは、赤ちゃんの目を見て、ゆっくりとはっきり発音して話すこと。長い文章ではなく、2~3語を組み合わせる短い文章にしましょう。擬音語(ワンワン・モグモグなど)も興味をひきやすい言葉なので、ぜひ使ってください。
Q.発熱をした時に病院へ連れていくタイミングは?
38度の熱が出ました。ぐったりすることはなく、離乳食やミルクも普通通りに食べているので、小児科へ連れて行くべきか悩みます。
A.赤ちゃんの様子をしっかり観察して判断する
病院の待合室などで、ウイルス性の病気をうつされるおそれがあるため、やたらと病院へ連れていくのは心配ですね。
赤ちゃんの平熱は高めで、体温調節が未熟なために発熱することはよくあります。38度の熱が出た時も、食事やうんちの様子が通常と変わらない、機嫌が良くて睡眠もとれているのならば、急いで病院へ行く必要はありません。
しかし、熱が下がらなかったり、嘔吐や下痢、食欲がない、発疹があるなどの状況であれば、早めに病院で診察をしてもらいましょう。また通常と変わらない様子でも心配ならば、かかりつけの病院へ電話をして、具体的な指示を仰ぐのも1つの方法です。
Q.保育園に預ける予定ですが、いろいろと心配です
間もなく仕事に復帰するため、赤ちゃんを保育園に預けることになります。子離れができないのか、初めて預けるのが不安なのか、心配事がどんどん頭に浮かんでしまいます。
A.サポート体制を固めておきましょう
ママがいろいろと心配になるのは、赤ちゃんのことを大切に思っている証拠です。初めての子離れに不安な事柄も多いかもしれませんが、赤ちゃんは柔軟性があるので、環境に慣れるのも早い傾向にあります。
保育士さんは専門の勉強や経験を重ねたプロフェッショナルですから、子育てのアドバイスをもらうこともできるはず。また、保育園には赤ちゃんから大人までさまざまな年代の人がいるため、社会性を育むメリットもありますよ。
むしろ預ける心配よりも、何か特別なことが起きた時の用意を万全にしておくことが大切でしょう。
例えば赤ちゃんが病気になった際は保育園に預けられなくなるので、その時にどうするか?という対処法が必要です。とくに1年目はさまざまな病気をもらってくるので、お休みすることが多くなるかもしれません。お迎えの時間に遅れないための対応も大切です。
急な早退、休みなどに上司や同僚の理解を求められるか。おじいちゃんやおばあちゃん、ママ友などにお願いできるか。それが無理な場合は、病児保育の登録をあらかじめしておく。そんな風に、いざという時に慌てずに依頼できるよう、周りのサポート体制を固めておきましょう。